白ナンバー事業者のアルコールチェックが義務化されている中、企業は具体的にどのような対策を行ったら良いのでしょうか。チェックすべき内容や社内周知の方法などを紹介します。
2022年4月に施行された道路交通法施行規則では、白ナンバー事業者が、運転者に対し酒気帯び確認を行うことが義務付けられました。確認するタイミングは、運転の前後、もしくは運転を含む業務の出勤時と退勤時です。併せて、酒気帯び確認の記録を1年間保存することも義務付けられています。
アルコールチェックは安全運転管理者が目視で行うことが基本とされ、運転者の呼気の匂い、顔色、声の調子などで判断します。対面で確認することが難しい場合、電話やビデオ通話などの対面に準ずる方法も選択可能です（2023年3月時点）。
酒気帯びの有無の確認方法は、主に検知器による検査と、目視による検査の2種類があります。検知器を使用すると、呼気中のアルコールをにおい以外で判定できることがメリットです。
2022年10月に予定されていた“アルコール検知器を使用したアルコールチェック義務化”は延期となりましたが、今後アルコール検知器を使用した確認が必須となる見込みのため、早めに準備しておくと安心です。
検知器を利用する場合、なりすましや不正を予防するため、本人確認が可能なシステムを利用するのが望ましいでしょう。また、検知器の種類によって精度も異なるため、導入の際は正確にアルコール反応を判定できるものを選ぶのが鉄則です。
当サイトでは、検知器の精度に着目したおすすめのアルコールチェック管理サービス3選を紹介しています。ぜひそちらも併せてご覧ください。
企業がアルコールチェック違反を行った場合、直接罰の規定はありませんが、安全運転管理者が解任の対象となりえます。また、アルコールチェックを怠ったことにより従業員が酒気帯び運転を行った場合、代表者や責任者、安全運転管理者が5年以下の懲役や罰金を科せられることもあるため注意が必要です。
アルコールチェック業務を社内に周知し徹底して行うには、社内規則を作っておくことをおすすめします。
お酒を飲んでから体内で分解されるまでに有する時間は、一般的に1単位（純アルコール20g）のお酒で2〜4時間程度といわれています。1単位とは、ビールなら500ml、日本酒なら1合がおおよその量です。
お酒が抜けるまでの時間は個人差が大きいため、アルコール・薬物関連3学会では、飲酒運転防止のため全員共通のガイドラインを制定。飲酒してから運転できるまで「飲酒量（g）÷4時間」で計算します。
たとえば、ビール500mlを飲んだ場合、5時間は運転できないことになります。社内でもこの内容を周知し、飲酒運転を行わないよう徹底していきましょう。
