アルコールチェックサービスを利用しても、従業員が酒気帯び運転で捕まってしまうリスクをゼロにはできません。もし従業員が捕まったら会社として厳しく対処し、同時に他の従業員に対して教育を徹底するなど、再発防止策が求められます。
下記のいずれかに該当する場合、会社が責任を問われることもあります。厳しい罰則が科せられるので注意しましょう。
従業員が車を運転すると分かっていながら酒類を勧めた場合、お酒を勧めた人も同様に責任が問われます。お酒を勧めた場合の罰則はとても厳しく、懲役2年以下または30万円以下の罰金を科せられる可能性があります。
もし従業員が酒酔い運転で捕まってしまった場合、お酒を勧めた人の罰則は懲役3年以下または50万円以下の罰金へと厳しくなります。なお、お酒を勧めていなくても、飲酒した従業員の車に同乗したならば罪に問われます。
参照元:警視庁公式HP(https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kotsu/torishimari/inshu_info/inshu_bassoku.html)
従業員の飲酒を把握しながら車(社用車など)を貸した場合も会社に罪が問われます。車両提供者への罰則は、酒類を勧めるよりも厳しく、懲役3年以下または50万円以下の罰金が科されます。なお、従業員が酒酔い運転だった場合、車両提供者の罰則は懲役5年以下または100万円以下の罰金となることも覚えておきましょう。
参照元:警視庁公式HP(https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kotsu/torishimari/inshu_info/inshu_bassoku.html)
業務中に従業員が酒気帯びで事故を起こした場合、会社は使用者として責任を問われる恐れがあります。また、人を怪我または死亡させてしまった場合など、事故の状況によっては運行供用者責任も問われます。この場合、会社が損害に対して賠償を支払う責務を負わなければなりません。
参照元:警視庁公式HP(https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kotsu/torishimari/inshu_info/inshu_bassoku.html)
従業員が酒気帯び運転で捕まったら、会社として厳しい処分を科す必要があります。悪質であれば懲戒解雇、それ以外でも懲戒処分は必須でしょう。
従業員に対して、もっとも重い処分となるのが懲戒解雇です。ただし、従業員を懲戒解雇するには以下の条件を満たす必要があります。
就業規則に条件を明記し、従業員へ周知していなくてはいけません。また、法令に則った手続きを踏み、過去の事案と合わせて処分の平等性を保っている必要があります。
懲戒解雇が重いと判断されたら、何らかの懲戒処分を検討しましょう。主な懲戒処分は以下の3つです。懲戒解雇の時と同様に、就業規則に則って決める必要があります。
懲戒処分を下す際は、酒気帯び運転の悪質性も判断することが大切です。会社への影響はもちろん、本人の態度や量刑も踏まえて決めましょう。
酒気帯び運転を防ぐには、飲酒運転に対する従業員の意識を変える必要があります。
特に大切なのは、従業員への飲酒運転に関する教育の徹底です。飲酒運転の罪の重さはもちろん、本人と周囲に与える影響もしっかり啓発しましょう。ただし、効果を継続させるためには定期的な教育と周知活動が求められます。
アルコールチェックを徹底させることも飲酒運転の防止につながります。一部の業界はもちろん、一定条件を満たした一般企業でもアルコールチェックは義務化されています。しかし、適切に実施されていないケースも少なくはありません。
アルコールチェックがしっかり実施されているかどうか、抜き打ちで検査してみるのもおすすめです。もし適切に実施されていないなら、運用ルールなどを見直したり、従業員を再教育したりする必要があります。
就業規則の内容があいまいな場合、懲戒処分の内容を明確に記載しましょう。飲酒運転に関する項目を設け、懲戒処分の対象や条件、処分内容などを記載するのもおすすめです。なお、就業規則を改定した後は速やかに従業員へ周知しましょう。