2022年4月の道路交通法の改正で、業務が一気に増えた白ナンバー事業者の皆さんのためのアルコールチェック管理にまつわる様々なことをまとめました。
いまさら聞けない管理内容から、正しく楽に運用できる心強いサービスの体験レポートもありますので、あわせてご確認ください。
飲酒運転による、事故が後を絶たないことから2022年4月に道路交通法が改正されました。その中で大きく注目されたのが白ナンバー事業の安全運転管理者の業務拡充。これまで、緑ナンバー(貨物運送事業など)事業者が行っていた『アルコールチェック管理』を、白ナンバー事業者も義務として行うことになったのです。
ここで改めて、安全運転管理者を必要とする要件を確認します。
※自動二輪車(大型・普通)は0.5台換算
参照元:警察庁/【PDF】安全運転管理者制度の概要https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/anzenuntenkanrisya/pdf/seido_0.pdf
さまざまな業界の多くの企業が対象となっており、多くの安全運転管理者の業務が増えることになりました。
2022年4月より順次適用(予定)業務
参照元:警察庁/【PDF】道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令等の施行に伴う安全運転管理者業務の拡充について(通達)https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/anzenuntenkanrisya/pdf/20211110tuutatu_1.pdf
1に関しては、現在義務化がスタートしていますが、2に関しては半導体不足などの状況により延期されています(2023年3月現在)。
これまでも安全運転管理者には運行計画の作成や運転者の状況把握などの業務があり、これまでも違反した場合には罰金を支払わなければなりませんでしたが、その金額が大幅に引き上げられました。
義務内容 | 改正前 | 改正後 |
---|---|---|
安全運転管理者選任義務違反・解任命令違反 | 5万円以下 | 50万円以下 |
安全運転管理者等の選任解任届出義務違反 | 2万円以下 | 5万円以下 |
安全運転確保のための是正措置命令違反 | ― | 50万円以下 |
参照元:警察庁/安全運転管理者の業務の拡充等https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/insyu/index-2.html
参照元:福岡県警察/安全運転管理者制度https://www.police.pref.fukuoka.jp/kotsu/kotsukikaku/002.html
チェックの方法や記録項目について確認していきましょう。現在、記録方法については特に決まりはなく紙での管理でもPCでエクセルなどのソフトでも可能です。
以上の項目をすべて記載し、記録をしなければなりません。また、最低1年間の保管も義務付けられているため万が一に備えてバックアップも必要になってきます。
検知器を使用して検査することは、2023年4月現在延期となっていますが、アルコール検知器の供給状態が落ち着き次第、義務化スタートするので準備や管理についても確認していきましょう。
その他にも、アルコール検知器は1年に1回のメンテナンスや買い替えが必要である場合が多く(※)長く使用できないことも気を付けなければなりません。
※年単位ではなく使用回数上限が設定されている検知器もあります。
参照元:国土交通省/自動車運送事業におけるアルコール検知器の使用についてhttps://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/03alcohol/
アルコール検査ばかりでなく、これまでの運転管理者の管理項目も引き続き必須です。罰則も引き上げられたこともあるので、しっかりと遂行が必要ですので改めて内容をチェックしましょう
参照元:警察庁/【PDF】安全運転管理者制度の概要https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/anzenuntenkanrisya/pdf/seido_0.pdf
このように、改正に伴い多くの業務が増えた安全運転管理者に有効なサービスとして注目されているのが『アルコールチェック管理サービス』。特筆するべきはクラウドを利用して記録・保管してくれるので、直行直帰でも運転者がスマホアプリを利用すれば管理者は何もしなくても記録だけが送信されてきます。
また、アルコールチェック項目だけでなく管理すべきことも一元化して管理も可能なのです。
このサービスについて詳しく見ていきましょう。
そもそもクラウド利用のパッケージ型アルコールチェック管理サービスとはどのようなものなのかを、安全運転管理者の業務に主眼をおき、まとめました。
クラウド利用のアルコールチェック管理サービスは、アルコール検知器と連動させ、運転者がチェックした酒気帯び状態をPCやタブレットの管理アプリに自動で送信してくれます。
また、クラウドで記録保管をしてくれるので、PCなどのローカルで保存した場合のバックアップもお任せすることが可能です。
現在、半導体不足で義務化が延期されているアルコール検知器を使ってのチェックもいずれスタートします。それにより、アルコール検知器の有効性の保持も必要となり、常にチェック機能が正常に働いているかの確認や、有効使用期限※の確認などが必要です。サービスを導入した場合はそれらの管理も行ってくれます。
※アルコール検知器はどのようなタイプでもメーカーにより、1年や1000回使用でのメンテナンス・交換などが必要です
体験にあたり、選んだサービスは『BSS for ALC(ビーエスエス・フォー・エーエルシー)』。新たなサービスの導入で一番ネックとなるセットアップ時のトラブルを考えて、いつでもサポートしてもらえる点を重視して選んでみました。
提供するアネストシステムではWEB説明会随時実施・個別相談会も開催。その他にもアルコールチェックの管理以外に運転管理者の必須業務の運転日誌管理機能もサービスの位置機能として使えるのでその点についても確認してみたいと思います。
まずは、BSS for ALCを導入した際の管理者の動きを見ていきましょう。
BSS for ALCでは、誤反応が少ない「電気化学方式」のアルコール検知器を採用。検知器の精度が高く、運転者にアルコールチェックを任せられます。
携帯型のアルコール検知器であれば、外出先で計測してもらうことも可能です。計測結果は、クラウドに自動で保存されます。
運転者がアルコールチェックを行ったら、安全運転管理者のもとに計測結果が届きます。
外出先の場合は、なりすまし防止として検査時の写真も送られてくるので、電話などでの確認も不要です。
運転者がアルコールチェックをしていない場合は、未測定の通知が来るため、アルコールチェックの抜け漏れも防止できます。
また、アルコール検知器の有効性の確認や車検情報に関する通知、センサー交換時期のお知らせなどのアラート機能が豊富で、アルコールチェック以外の業務に集中できるのも特徴です。
BSS for ALCには、免許更新期限や社員情報の管理機能、車両の日常点検機能(スマホアプリ)、給油量の入力機能(スマホアプリ)など、アルコールチェック以外の機能も備わっています。
運転管理業務の一元化によって、安全運転管理者の業務を効率化できるのは、大きなメリットといえるでしょう。
これらの利点をどれだけ実感できるのでしょうか?スタートのセットアップから実際の管理をアナログと比較したときの短縮時間までを編集チームで検証してみました。
なお、BSS for ALCでは、WEB説明会を無料で開催して使い方をレクチャーしてくれるので、気になる場合は申し込んでみるのもよいでしょう。
サービスを導入した場合、アルコール検知器が指定の住所に届けられます。これに対して、サービスを導入していない場合、アルコール検知器の注文から始めなければいけません。
体験コメント
アルコール検知器って、いろんな種類があってどれがいいのか分からないな。安いのは売り切ればかりだし。そもそも半導体式とか電気化学式ってなんだ?
体験コメント
頼んでいたアルコール検知器が届いた。これをパソコンやスマートフォンと連携するだけで、すぐに測定できるのか!
アルコールチェック管理サービス未導入の場合、自分で一からアルコール検知器について調べ、自社に合った製品を選ぶところから始める必要があります。
BSS for ALCのアルコールチェック管理サービスを導入した場合、アルコール検知器が含まれているプランを選べば、サービス会社から検知器が送られてくるので、「何を選んだら良いか分からない」という場合も安心です。
続いて、記録管理の準備。サービスを導入した場合PCアプリのセットアップが必要となり、手順書に従って進めます。一方、未導入の場合はエクセルなどで表組を作成します。
今回は10名の運転手がいる想定なので、10名分の名前、フリガナ、社員ID、メールアドレス、会社名、営業所、ステータス(在職・休職)を記入するのにかかった時間を計測しました。
体験コメント
わざわざ表を作るのは手間がかかるな。そもそも、どういう項目が必要なんだ…?既存のフォーマットをダウンロードするにしても、たくさんありすぎてどれが良いのか分からない…。
体験コメント
契約時の情報から会社名、営業所、ステータス(在職・休職)はプルダウンで選択できるし、入力項目が決まっているから、運転者の登録が簡単にできる!アルコール検知器とPCアプリの同期も 立ち上げて一瞬で終了
※すでにエクセルなどで管理している場合はファイルをアップすれば同期もできます。
アルコールチェック管理サービス未導入の場合は、自身で記録用のフォーマットを作成するか、Webサイトからダウンロードしてフォーマットを用意しなければなりません。
エクセルシートなど自作の場合は見やすさ、使いやすさで改良が常に必要になってくることもあるので運用後の手間もかかります。
一方、アルコールチェック管理サービスを導入した場合は、既成のフォーマットから必要事項を選択できるので、情報の登録が簡単です。
記録・保管の準備が整ったら、いよいよアルコール測定と記録を開始。サービスを導入している場合はPCと同期した検知器を使用すれば、計測結果は自動送信されます。
アルコール検知器を使用しない場合は、酒気帯びの状態を目視で確認しなければいけませんし、運転者が直行や直帰の場合には電話で確認するなどの工夫が必要となります。
体験コメント
一人ひとりの酒気帯びの有無を、目視で確認するのは大変だな。ちょっとお互いに気まずいし…?遠隔の場合はテレビ電話などで連絡しなくてはいけないしな。
体験コメント
一人ひとりに計測を任せられるから、確認の手間が省けて効率的だ!測定結果は自動的に届くし、測定時の写真も画面上で確認できるから便利だな。
アルコールチェック管理サービス未導入の場合は、酒気帯びの有無を確認したのち、一人ずつ結果を記録しなければなりません。
BSS for ALCアルコールチェック管理サービスを導入した場合は、アルコール検知器で計測した結果が管理者のパソコンやスマートフォンへ自動的に送信されます。また、クラウド上で情報の管理もしてくれるので1年間の保管義務もお任せできます。PCの場合は万が一の場合に備えてのバックアップも必要となり、作業だけでなく精神的な負荷も大きいです。
運転手がアルコールチェックを終えたら、検査数値やアルコールチェック管理で義務化されているいくつかの情報を記録します。これらの記録は1年間保管することも義務となっているので、万が一の為にバックアップが必要になります。
BSS for ALCを利用した場合は、クラウド管理なので、自動送信で記録され保管もお任せできます。一方で自己管理をする場合は1名ずつの情報を手入力しなければいけないので、時間も手間も大幅にかかります。
義務化されている記録項目
体験コメント
●●さんはOK、▲▲さんは、あれセルがずれてる!!やり直しだ…
体験コメント
運転手から自動で送られてきた計測結果をチェックするだけ!外出先の運転手の分も写真付きで送られてくるから安心安心!
アルコールの検査をしてもらった後にその記録を1名ずつ手入力するのは、人数が多ければ多いほど負荷が増えます。乗車した車両情報など意外と管理項目も多いので、提出を怠ってしまう運転者に対しての注意も管理者の責任となります。
BSS for ALCアルコールチェック管理サービスを導入した場合、提出していない名前はアラートで知らせてくれるなど、業務周りの雑多なタスクもお任せできるので、実際の運営の際の時間差はもっと大きいと思われます。
アルコール検知器には使用期限や使用回数限度があり、センサーの交換や買い替えが必要※です。
BSS for ALCを利用した場合は、すべてサポートデスクに任せることができます。交換時期にはアプリの管理画面に通知が来るとともに、新しい検知器が配送されるので、スケジュール管理を気にせず安心です。
※一般的に、センサーの寿命は1年~1年半となっています。また、検知器の種類によっては、規定(1,000~2,000回)の回数を超えると交換が必要な機種もあります。
体験コメント
アルコール検知器は交換が必要だって知らなかったな...。そもそも半導体式とか電気化学式って…?あれ?デジャブ…?
体験コメント
もし運転者がアルコールチェックをし忘れても未測定の通知が来るし、車検情報の通知やセンサー交換のお知らせも届くから、業務の抜け漏れがなくなる!
アルコールチェック管理サービス未導入の場合でも、今後義務化される検知器を利用している場合は、交換や買い替えが必要です。自社で使用しているアルコール検知器の交換時期を把握し、自身で責任を持って管理する必要があります。
BSS for ALCアルコールチェック管理サービスを導入した場合、サポートデスクがメンテナンス時期を事前にお知らせ。メンテナンス時期になったら交換品を先送りしてくれるので、運用がスムーズです。
BSS for ALCのアルコールチェック管理サービスを導入すると、導入しなかった場合に比べて、「アルコール検知器の準備」「記録の準備」「アルコールチェック〜記録」「アルコール検知器の交換」の4つの点で、業務を効率化できることが分かりました。
冒頭で述べた通り、現時点(2023年3月)では、安全運転管理者のアルコール検知器の使用や常備は義務化されていません。しかし、今後半導体不足が解消され、市場にアルコール検知器が流通するようになれば、義務化が施行されると予想できるため、今のうちに導入を検討しておくのが得策です。
今回の体験では、10人の運転者が事務所経由で発着する場合で行ってみました。ご自身の事務所がどれくらいの機器とプランが必要か参考になるよう表も作成してみました。
なお、アネストシステムでは事務所測定型の場合、スムーズに検査するには、運転者10人に対してアルコール検知器1台をオススメしているそうです。
運転者10名、基本的に事務所から出発することを想定。アルコール検知器は据え置き型1台、出張に備えて持ち運び型を2台導入。
以下の表はアルコール検知器も管理サービスと同時に依頼する場合かつ、PCを使って管理する場合の目安になります。
事務所経由で15名の運転手・直行直帰で5名の運転手がいる場合、据え置き型2台の初期費用、持ち運び型の初期費用とそれぞれの月額費用が必要となります。
事務所規模 | 事務所経由 10名 |
事務所経由/直行直帰 15名/5名 |
直行直帰/10名 |
---|---|---|---|
据え置き型検知器 (台数と費用) ※初期費用 |
1台 59,900円 (税込65,890円) |
2台 119,800円 (税込131,780円) ※65,890×2 |
― |
持ち運び検知器 (台数と費用) ※初期費用 |
― | 5台 97,500円 (税込107,250円) ※21,450×5 |
10台 195,000円 (税込214,500円) ※21,450×10 |
導入プラン ※月額費用 |
事務所型のNormalプラン: 2,900円 (税込3,190円) |
事務所型のNormalプラン+ 持ち運び型のEXプラン: 9,850円 (税込10,835円) ※3,190+(1,529×5) |
持ち運び型のEXプラン: 13,900円 (税込15,290円) ※1,529×10 |
参照元:BSS for ALC(アネストシステム)公式サイトhttps://bss-alc.info/
上記の表は基本プランから見た目安です。BSS for ALCの公式サイトでは、簡易シミュレーションがあり、いくつかの質問に答えるだけで8プランもあるなかから、おすすめのプランや具体的な金額を無料で紹介してくれます。
お持ちのアルコール検知器を使いたい場合、免許書までしっかり管理したい方など、細かなプラン設定があるのでお試しください。
アルコールの測定から管理まで、クラウド上で行っているBSS for ALC。事務所の人数、車の使用状況などで、プランやアルコール検知器の台数も自由に選べるカスタマイズ性の高さが魅力です。
またアルコールチェック以外の機能が豊富なのも特徴で、現時点(2023年3月時点)で導入されている機能や、今後導入予定の機能はBSS for ALC公式サイトで確認できます。安全運転管理者の業務を一元化して、効率化を図りたい場合は、ぜひチェックしてみてください。